バイオリンを習っていて、「将来バイオリニストになりたい!」と子供が言い出した時、夢を叶えてあげたいと思うのではないでしょうか?
しかし、バイオリニストの知り合いなどがいない場合、どうして良いか分からないと思いますので、この記事では、バイオリニストになるために必要なスキルなどをまとめてみました。
バイオリニスト(ソリスト)になるには?
バイオリニストといっても、世界中を飛び回って演奏活動をするような有名なバイオリニストから、YouTubeに動画をアップして活躍する人、もしくは、主に国内での小さなコンサートで演奏をしている人など様々です。
なりたい人になるには、その人がどうやってなったのかを調べると、方法が分かるので、まずは、バイオリニスト(ソリスト)達はどのようにしてバイオリニストになったかを調べました。
指揮者に認められる
サラチャンさんや五嶋みどりさんなどは、師事するバイオリンの先生から有名な指揮者を紹介され、指揮者に認められ、10代の頃から世界で演奏活動を行っています。
しかし、10代の頃から世界で演奏活動をするようなソリスト達は、小さな頃か毎日手取り足取り何時間もバイオリン指導を受け、有名な指導者の元へ行った時には既に大人顔負けの演奏技術があったという場合が多いです。
そして、有名指揮者と知り合うというのは、かなりの実力があるか、音楽界の人脈がない限り難しいというのが現実です。
有名なコンクールで名前と演奏を知ってもらい、演奏の機会を得る
バイオリにストになりたい多くの子は、小さい頃から舞台慣れをするためにも様々なコンクールへ出場しています。
そのような子供たちは、少しずつコンクールのレベルを上げていき、メニューインコンクールやチャイコフスキー、パガニーニコンクールなどで優勝したり、優勝しなくても素晴らしい演奏から演奏のオファーが舞い込んできたりします。
しかし、レベルの高いコンクールでは、演奏者の優劣がつけられないほど、皆さん凄い実力の持ち主です。
レベルの高いコンクールで優勝するには、その年のレベルの高さも関係してくるので、運も必要となりますし、ヨーロッパのコンクールではコンクールに影響力のある先生に師事している方のが有利になることもあります。
ショパンコンクールを題材に描かれたマンガですが、このようにと飛びぬけた実力と運が重なりコンクールに必要な人脈がなくても優勝出来る事があると信じています。
有名なコンクールで優勝してもそこがゴールではなく、実力が伴わなければ消えていってしまう人もいるので、もちろん目指すは優勝ですが、どれだけ人を惹きつけれられる演奏が出来るか、自分をどれだけアピール、売り込めるかができるかも大切です。
音楽事務所に所属し、演奏依頼を受ける
世界的に有名にならなくても、世界各国で様々な中小規模のコンサートが開催されています。
何かのイベントの時の演奏依頼、美術館での演奏から、ヨーロッパでは観光客向けのミニコンサートが良く開催されていますし、日本でも小さなコンサートは各地で開催されています。
演奏活動で収入を得たい場合、場所を選ばなければ演奏機会は沢山あります。
YouTubeで有名になり演奏の機会を得る
今の時代はYouTubeで有名になり演奏の機会を得るという事もありえます。
書き出した以外にも方法はありますが、バイオリニスト(ソリスト)になるには、とにかく小さい頃からの練習と努力に加え、魅力のある演奏が出来るか、そして演奏の機会を得られるように自分を売り込まなければなりません。
バイオリニスト(ソリスト)になるために必要な勉強は?
では、バイオリニストになるために習得すべきスキルを書き出してみましょう。
バイオリンのレッスン
バイオリニストになるには、バイオリンレッスンが必要なのは誰でも分かると思いますが、もし世界で活躍するようなバイオリニストになりたい場合は、小さい頃からオリンピック選手のように身体を鍛えなければなりません。
スポーツに例えると、腹筋や背筋など基礎トレーニングをして体力つくりをするのと同じように、バイオリンを弾く筋力を鍛えるには、右手だけ、左手だけの基礎力を鍛えるトレーニング、テクニックを鍛える練習曲などが必要となってきます。
そして、世界で活躍バイオリニストになるには、身体が柔軟な16歳までにほぼ全部のテクニックを勉強し、チャイコフスキーやパガニーニのコンチェルトなどの大曲も勉強し、年齢と共に芸術性を磨く必要があります。
何故なら、超絶技巧を自分のものにして自由自在に操れるようになるには、何年も時間がかかりますし、スポーツ選手と同じで一番瞬発力のある年齢までにテクニックを鍛えておかないと、その後の身体能力が衰えてくる頃に習得したものと、その前に習得したのでは弾く時のスムーズさが違うからです。
なので、バイオリニストになりたいと思ったら、今師事している先生に相談し、もし、基礎体力を鍛えるレッスンをしていなければ、レッスン内容を変えてもらうか、他の先生に変わる事も視野に入れたほうがいいと思います。
曲を何時間練習していても基礎体力はつきませんし、遠回りとなるだけなので、バランス良い曲の選択、練習曲の選択が必要となります。
そして、基礎トレーニングや多くの曲を速く進めるには、バイオリンのレッスン時間、回数も多くなります。
ピアノレッスン
音楽大学ではピアノレッスンが義務となり、入試の際にもピアノの試験があります。
音楽大学など行かなくてもバイオリニストにはなれますが、その場合でもピアノ練習はほぼ皆さんしています。
何故なら、ピアノを習う事で伴奏とソロパートがどういう関係になっているのかが分かったり、和声感覚(音楽はハーモニーからなっています)を養えるからです。
曲を演奏する上で和声を理解していた方のが演奏に幅が出て、聴衆を納得させられる演奏が出来るので、ピアノは楽しむ程度でもいいので時間を見つけて始めたほうがいいと思います。
娘のピアノの先生が契約期間終了でやめてしまい、新しいピアノの先生がいらっしゃいました。
新しいピアノの先生の初めてのレッスンで、「ピアノを買いなさい!電子ピアノではレッスンできません!」と言われてしまったそうです。
[…]
ピアノのタッチに近い電子ピアノを購入したいけれど、種類がありすぎでどれを選べばいいか分からない!
筆者は電子ピアノを選ぶ際にあまりにも多い電子ピアノの種類に情報収集から選ぶまでにかなりの時間がかかりました。
[…]
ソルフェージュレッスン
バイオリンの先生かピアノの先生がレッスン時に楽譜の読み方、フレーズの歌い方、聴音レッスンなどもしてくれていれば必要ないですが、人を感動させるような演奏は楽譜の読み方、音程や音の長さだけではなく、楽譜よ読み取れる能力がつき、それを楽器でどう演奏するかを考えて自分が思い描くような演奏に仕上げなければなりません。
それをするために必要なのがソルフェージュのレッスンです。
英会話
バイオリニストになるには英語も大切です。
何故なら、世界で活躍する有名な先生のマスタークラスに参加する、海外のコンクールに参加する、留学するという時、英語が出来たほうのが断然有利ですし、もし海外のコンクールで毎回通訳をお願いしていたら通訳代も大変なことになりますし、間違った通訳をされて気づかなくても自己責任になるので、英語は出来る方のがいいです。
そして、翻訳してしてしまうと微妙なニュアンスが上手く理解出来なかったりする事もあります。
ヨーロッパの色々な国の音楽を演奏するには、それぞれの作曲者の言語を少しでも勉強し、発音だったり、フレーズを理解したほうのが楽曲を理解する上でとても役に立つので、まずは英会話から入り、イタリア語、フランス語、スペイン語、ドイツ語を少し勉強すると曲の発音も変わってきます。
体力作り
長い協奏曲になると、40分くらいの長さがあります。
その間ミスをせず、自分の表現したいように弾き続ける集中力と体力を少しずつ鍛える必要もあります。
姿勢が悪くならないように、そして、リズム感覚を養うためにとバレエを習わせる親御さんは多いですが、身体の柔軟性・集中力・呼吸法という視点から見ると、ヨガもおすすめです。
世界的に活躍しているバイオリニスト、ユリア・フィッシャーさんは、小さい頃にヨガをしていたという話があったり、メニューインもヨガをしていたそうです。
学校の勉強・バイオリンの練習などで時間がないという方は、家で出来るオンラインヨガもおすすめです。
ヨガにこだわる必要はありませんが、小さい頃から水泳やウォーキングなどをして体力を鍛えると同時に、集中力も少しずつ鍛えていく必要があります。
小さい頃から知人の前で弾いてみたり、発表会やコンクールに参加したりして舞台慣れをすることで集中力や舞台で弾く体力も養われますが、スポーツも必要です!
メンタル面
バイオリニストは、人前で長時間演奏するので、体力に加え、強いメンタルも必要です。
小さい頃はよく褒め、たっぷりと愛情を与えて自信をつけてあげてください。
自分の事を無条件で愛してくれる家族がいるという事は、自信につながります。
子供の成長にもよりますが、バイオリンを弾くのが好きなら小学校2年生くらいからは少し厳しくしても大丈夫です(笑)。
想像力とセンス
バイオリニストは、楽譜を見て曲を解釈をし、自分の音楽を作り上げていきます。
小さい頃は先生の演奏を真似て演奏をしていればいい時もありますが、少しずつ先生の手を離れて自分の音楽を作る日がきます。
その時、今まで見てきたもの、感じた事、学んだことをフル活用してどのような音を出したいのか、どのようにフレーズを語りたいのかと考える時がきます。
同じドの音でもフレーズによって音色を変えたり、強調したい音を少し長く弾くけれど、どのくらい長くするか、フレーズの山へ持っていくにはどうやって盛り上げようか等々、、、。
その時のために、美しい自然や色々な時代の絵画、世界中の映画、色々な物を観て、感じて、音楽もクラッシックだけでなく、ジャズ、ポップ、ロック等色々な音楽を聴かせたり、お話を聞かせてあげてください。
沢山の経験があればあるほど、想像力は膨らみますし、素敵な絵画やカラーセンスなどを養っておけば、曲の歌い方のセンスも磨かれます!
歴史や言語
クラッシックはヨーロッパの音楽ですが、ヨーロッパといってもスペイン人、イタリア人、フランス人、ドイツ人ではかなり違います。
言語を聞いても分かると思いますが、その国の特徴のようなものがありますし、時代の特徴もあります。
大きくなってからでも遅くはありませんが、小さい頃から少しずつ世界の歴史漫画を読んでみたり、世界には色々な人が住んでいる事、色々な国の言葉を聞かせて興味を持っておくと、大きくなってから役に立ちますよ!
まとめ
演奏家に必要なスキルには沢山の事を書き出し、大変そうに思えますが、バイオリンと同じで少しずつ習得していけば習得できますので、焦らず出来る事から始めてみてください!
バイオリンを習わせている親御さんは、「バイオリンが上手な子は何が違うのだろうか?」「何で自分の子供はなかなか上達しないのだろう?」と考えることがあります。 私も、娘にバイオリンを教え、毎日の練習に付き合っている時「娘は運動神経があまり[…]
バイオリン演奏は、左手は数ミリの狂いもなく音程を取り、ポジションをチェンジをする時に左手は素早くポジション移動しているのを聞かせないように動かし、右手は左と違いゆっくり弓を動かしたり、左手の指はリズムが狂わず正確に動かしたり、弓の返しを聞か[…]