他の子と比べて不安になる親御さんへ
「あの子はもう◯◯を弾いてるのに、うちの子はまだ……」
そんな風に感じたことはありませんか?
バイオリンを習うお子さんの進度を気にして、不安になってしまう親御さんをたくさん見てきました。
私自身も同じような経験がありました。
進度が早い=才能がある、ではない理由
小さな頃に難しい曲を弾ける子を見ると「すごい!」と思いがちです。
確かに、小学生くらいで”パガニーニ”や”サラサーテ”等の難曲を弾くという事は毎日何時間も練習をしているので、それだけで凄いです。
しかし、小さい頃は先生から1から10まで手取り足取り教えてもらったり、物まねで弾いている事が多いので、そこから抜け出して自分の演奏をするには、また違う努力が必要となってきます。
テクニックに加え、様々な音色を探したり、表現力を養わなければならないのです。
自分の表現力が伴わないと、小さい頃は上手だと思ったのに、大きくなると「あら?」と思ってしまうのです。
しかし、大きくなると演奏の質や音色が伴わなければ、本当に上手とは言えません。
模倣だけで弾いていた子が、自分の表現力を養うには、また別の努力が必要です。
表現、音色、テクニック…バイオリンの本当の上達は長期戦です。
バイオリン上達に欠かせないもの
毎日の練習
バイオリンはどんな有名な先生に習ったとしても、毎日の練習をしなければ上達しません。
小さいお子さんでバイオリンを上手くなりたいから毎日練習しようと思う子はまずいません。
どんな有名なプロでも皆、親が毎日練習する習慣をつけさせているので、バイオリンを習い始めたら、毎日歯磨きの習慣をつけたように、親御さんがバイオリンを練習するのは生活の一部、ご飯を食べない日がないのと同じで、バイオリンの練習も毎日するのが当たり前という習慣をつけてあげてください。
バイオリンが好きだという事。
好きでないことは続きませんし、イヤイヤ練習をしていても、いつかは行き詰ってしまいます。
なので、バイオリンを習い始めた頃は、少しでも新しい事が出来たら褒め、とにかくバイオリンを弾くことが楽しいという事を教えていきます。
先生に言われたことがなかなか直らないとついつい怒ってしまったり、弓が曲がってるからと何度も何度も弓の事ばかり注意されて弾きたいように曲も弾かせてもらえないと、楽しい曲も楽しくなくなってしまいます。
しかし、バイオリンが好きなら、コツコツと地道に先生に言われたことをこなしていき、体と心が成長する中学生に急に上手になったりすることもあります。
正しい練習方法を知っている
いくら練習をしても正しい練習方法で練習をしなければ、残念ながら上達はしません。
親御さんの役目としては、正しい練習方法を教えてくれる先生を探す事はとても重要です。
時には、先生を変わる勇気も必要です。
親御さんの役目
よく「うちの子、向いてないかも…」という声を聞きますが、バイオリンは正しい練習を続ければ誰でもある程度は上達する楽器です。
- バイオリンが好き
- 上手になりたい気持ちがある
- 正しい指導を受けている
この3つが揃えば、向き不向きは関係ありません。
大切なこと
「バイオリンを弾くことが好きで上達したいという気持ち」
「自分はこう弾きたい!」
内面を育ててあげる事。
そして、毎日練習をする習慣をつける事です。
何故なら、バイオリンが好きになってからなら子供の練習に厳しく口出しをしても親や先生の助言を聞いてくれるけれど、強制的に何時間も練習をしていると、どこかで行き詰ってしまうからです。
練習は面倒なので、親に言われなとなかなか始めないというお子さんが多いのですが、毎日練習する習慣をつけ、色々な曲が弾けるようになり、もっと上達したいと思った時に正しい練習方法を知っていれば、必ず上達します!
焦らず「5年後・10年後」を見据えて
今の進度に一喜一憂するよりも、5年後・10年後にどんな音を奏でられるかを目標にしましょう。
そこから逆算して、今必要な練習の質や量を考えることが大切です。
子どもの練習には親の関わり方がカギ
毎日の練習を習慣にする
小さなお子さんが自ら「練習しよう!」と思うことは稀です。歯磨きと同じように、日々の生活の一部として練習を習慣化してあげましょう。
バイオリンを「楽しい!」と思える工夫を
叱るよりも、まずは褒める。楽しく弾ける環境を作ってあげることが、継続と上達への第一歩です。
正しい練習方法を知ることが最重要
頑張って練習していても、やり方が間違っていれば成果は出ません。良い指導者に出会うことが、何よりも重要です。
反抗期前にやっておきたいこと
子どもには成長に応じた反抗期があります。特に中学生前後の第二反抗期までに、
- 練習を自分で計画できる力
- 正しい音やリズムの感覚
- 課題を自力で解決できる姿勢
を育てておくと、その後がとても楽になります。
まとめ:焦るより「育てる」視点で
バイオリンに向いているかどうかよりも、
- 好きになる環境を作る
- 良い先生に習う
- 日々の練習を習慣化する
この3つが整えば、子どもは必ず伸びていきます。
焦らず、でも確実に、親子で「続ける」ことを大切にしていきましょう。