バイオリン上達に欠かせないのは、自宅でいかに正しく練習出来るか。
幼稚園など小さい頃から習い始めるバイオリンは、始めた時はママやパパなどがレッスンで教えてもらった事を毎日子供に繰り返させるのがとても大切な習い事です。
ところが、子供の練習についていかれない、もしくは、一緒に練習をしていると言い合いになってしまう時期が訪れます。
そこで、バイオリンのお稽古をしている子たちは、「いつから一人で練習をしているのか」、「一人で練習を始める丁度良い時期はいつか」をまとめてみました。
皆いつから一人でバイオリン練習をしているの?
娘のバイオリン友達や私の音楽関係の知り合いなどに聞いてみると、大体以下の通りです。
・始めた年齢が6、7歳、親は音楽の事は全く分からないので初めから一人で。
・親は全く音楽の事は分からないけれど、レッスンに親がついてきてレッスン内容を中学生までメモしてくれていた。
・小学校高学年くらいまで親と一緒に練習をしていたけれど、言い合いになるので一人で練習をし始めた。
・高校入学までずっと親と練習をしていた。
初めから一人で練習をさせている家庭、曲が難しくなって先生の仰っていること、微妙な音程が分からなくなり、「もう一人で練習して!」と子供に任せる家庭。
もしくは、小学校低学年の頃は、何でも「ハイ!」と素直に聞いてくれたのに、小学校高学年くらいになると、口が達者になり、反抗期がやってきて、練習中に「間違えた、間違えてない」、「言った言っていない」等々言い合いが多くなり、少しずつ一人で練習させるようにした等々。
一人で練習する最適な年齢は?
では、バイオリンの練習が一人で出来るようになる時期はいつでしょうか?
もちろん子供の成長によるので人それぞれですが、小学校3、4年生くらいから少しずつ一人で練習するように手助けをしてあげ、中学生になったら大体のことを一人で出来るように持っていくのが理想です。
しかし、プロを目指したいから、練習は効率よくさせたいという場合は、高校生くらいまではサポートが必要な場合もあります。
子育ての時期なんて長い人生の期間を考えたらほんの一瞬。
子供が一人で出来るようになるまで少しずつ一人で出来るように仕向けてはいくけれど、必要であれば高校生になろうと、大学生になろうと、いつまでもサポートし続けていいと思います!
中学生でも誰かに聞いてもらっているほうがのが効率が上がるという子もいますし、自分で聞こえない音もあるので、聞いて欲しいと言われたら、黙って聞いてあげ、たまにアドヴァイスをしてあげるという事も必要です。
この黙って聞くというのがなかなか難しいのですが、うるさすぎると逆に聞く耳をもたなくなる時も。
そんな時は、弾いている時にメモでも取っておいて、弾き終わった時にメモを渡したり、メモを見ながら説明すると素直に受け入れてくれるという事もあるので、アドヴァイスの伝え方の工夫も必要です!
ずっと一緒に練習をしてきて急に突き放しても、時間だけが経過し、今まで習ってきたことがどんどん崩れていくという事もあるので気を付けてください!経験済みです(涙)
どうして親が一緒に練習をするのが大切か
ある程度大きくなったら一人で練習をするべきだと思うかもしれませんが、バイオリンを弾くという事は、自分の体を鍛えていかに自分の理想の演奏を出来るようにするかです。
スポーツ選手が毎日のトレーニングをするのと同じように、毎日必要な筋肉を鍛え、体のフォームを確認して、理想の音、演奏を創っていきます。
スポーツ選手にトレーナーがいるように、バイオリン練習にも客観的にアドヴァイスをしてくれる人(親)がいると効率よく練習が出来ます。
コーチのメリット
・変な癖がついてしまうと後で直すのには倍以上の時間がかかるから、変な癖をつけないために客観的に見てくれる人が必要。
・高校生になって体が固まってしまってから基礎やテクニックを習得するのには小さい頃にテクニックを習得するより時間が何倍もかかるってしまうので、効率よく練習するため。
ソリストになりたいという子にとっては16歳くらいまでにテクニックの一通りはマスターしておきたい所ですが、ゆっくりと進んでいると、間に合わなくなってしまうので、小さい頃に効率よく練習するのがいかに大切か分かります。
「放っておいたら、試行錯誤して自分で練習方法を見つけるだろう。」とか、「本気でやりたくなったら自分で学ぶだろう。」と思っていると、いざ、子供が目覚めた時にもう手遅れだったという事になりかねないのがバイオリンなのです。音楽に目覚めた時に基礎が出来ていて、ある程度のテクニックを習得していないとその後に伸びていきません。
上手な子というのは、親が小さい頃から毎日の練習に付き合って基礎やテクニックを習得させている子が殆どと言っていいほどなので、親が一緒に練習をするのが大切なのです!
バイオリンは難しい?
バイオリンは、少しでも左手の抑える位置が違うと音程が悪くなる楽器なので、習い始めは左手の動きに気を付けないといけません。
それなのに、右手は弓を持ち他の動きをします。
しかも自然に弓を動かそうとすると弓が曲がって動くので、右手も気を付けないといけないという綺麗な音を出すまでが大変!
その上、自分の弾いている音を聞くというのも難しく、頭の中で歌っている音が出している音と勘違いしていたり、左手や右手の動きに集中しすぎて音を聞けていなかったり、ボーっと弾いていて音程が違くてもそのまま弾いていたりという事もあります。
そして、バイオリンがある程度弾けるようになってからも、常に左手右手が自然に動くようにと気を付けつつ、フレーズに気を付けてとか、もっと歌って弾いてとか、先生からの要求は次から次へと出てきます。
これだけ沢山の事を気を付けないといけないので、どうしても色々な事がおろそかになるので、難しいと言われています。
とはいえ、運動神経が良かったり、感覚が鋭かったりすると、驚くほど簡単に弾けるようになる子もいます!
我が家の失敗例
小学校2,3年生の時も私が忙しい時には一人で練習をさせていましたが、小学校高学年になり、私が指摘する音程の違いやもっとこうしてという事に対して、「やった、やらない」で言い合うことが増えました。
バイオリン練習で言い合うのは嫌だし、学校の宿題が一人で出来るようになったから、「バイオリンの練習もそろそろ全て一人で出来るのでは?」と思い、小学校4年生の時に一人で練習をさせたのですが、、、
もちろん、曲ごとに、練習することを書き出した紙を渡したのですが、音階や練習曲も、音程が違っていても直さなかったり、ゆっくり弾いてねと言っても超高速で弾いていたり全ての曲てを一度弾いて終わり!
驚くほどあっという間に練習が終わるのです!
そのうち気づいて直すのかなと放っておいたら、どんどん弾き方も崩れていくではないですか!!!
やはりまだ早かったのかと思い、また一緒に練習をし、そろそろ一人でも大丈夫かと思い、また一人で練習させては、あまりにも適当な練習に頭を悩ませた時期がありました。
その頃の私に「年齢的に早いのではなくて、どう練習したらいいのか分かっていないから一人で練習が出来ないんだよ!少しずつ練習はこうするんだよって教えてあげないと!」と言いたい!
一人で練習が出来るまで
一人で練習が出来るかなと思うようになってきたのは、全ての事に対して明確になってからです。
例えば、
・ボーイング練習は弓にシールなどで印をつけ、どこの部分を使って、必要ならばメトロノームの早さも書き込む。
・練習でやる事を明確に書いた練習ノートを作る。
・練習曲の早さもメトロノームのテンポを書き込む。
・必要なものは練習する回数まで書く。
回数やテンポなど細かく示した後、何度か一緒に練習し、少しずつ一人の時間を増やしていきます。
そして、練習を遠くで聞き、練習ノート、練習スケジュールの見直しをする。
こういう時はこうしてねと少しずつ一人練習時間を増やしていき、ようやく一人でもまあまあ良い練習が出来るようになりまます。
まあまあと書いたのは、小学校6年生くらいになると、言われた事はやるようになりますがそれでも聞こえていない音などもあるので、たまには指摘してあげないと直らない部分もあるからです。
自分の音を聞いているつもりでも、聞けていないことがあり、何度も言うと「うるさいなー!」と言われてしまうのですが、言えば気を付けるようになり、時間はかかっても直ります!
一人で練習出来るようにするために試して良かったこと
一人で少しずつ練習が出来るようになるにはどうしたらいいかと考え、試して良かったことは
練習スケジュール作り
練習スケジュール表を作り、目覚ましを付けて時間の管理を自分で出来るようにする。
曲を練習する順番、どのくらい練習するか時間も書いてあるので、ダラダラと練習することが少なくなります。
練習ノートを作り
一人で練習を始めると、「あれ、この曲は何すればいいんだったっけ?」と必ず聞いてきます!昨日もやったのにです!なので、練習ノートがあると、何をするかが書いてあるので、ノートを見ながら練習をしているうちに、段々と要領が分かってきます。
とはいえ、ノートを書いた時には読むのが面倒とか、時間がかかるので、ノートをママが読んであげ練習し、少し慣れてきたところで一人でノートを見ながら練習するとスムーズにいきます。
※練習ノートはたまに見直し、少しずつ精度を上げてあげるといいです。
練習スケジュール表を作り、練習ノートを作ってからも、少しの間は一緒に練習に付き合い、少しずつ一人にする時間を多くしてあげると、少しずつ一人で練習が出来るようになります。
中学生になっても、やはり一緒にいて欲しいと思う時もあり「ママ、一度弾くから聞いてて!」とか「暗譜出来てるか見て!」「一人で練習は寂しいし、面倒だからいるだけいて」と言います。
中学生でもまだまだ幼いので、いつでも気にかけて必要とあらば練習に付き合ってあげることが大切です。
まとめ
親子共にとっても根気のいるバイオリン練習。
なかなか直らない、何度説明しても出来ないという日が続いても、何度も同じことを言いつづけ、正しい練習をすれば時間とともに必ず出来るようになります!
辛抱強く続けると、ある時、急に上達したなとか、急に成長したなと嬉しくなる時がくるはず!と信じて温かく見守ってあげましょう!(←私自身に言っているフレーズでもあります)