楽譜を見ると簡単そうなのに「モーツアルトは難しい。」
多くのピアニスト、バイオリニスト達が言うフレーズです。
課題曲で出ない限り、コンクールで弾くのは避けたいモーツアルトの曲。
何故モーツアルトの曲は難しいのか、そして、少しでもモーツアルトを理解したいと思う時に是非読んで欲しい本を紹介しています。
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モーツアルトの曲が難しいと言われるのは何故?
シンプルな楽譜
楽譜がシンプルなので誤魔化しがききません。
テクニック的に難しい超絶技巧の曲を弾けば、弾くだけで凄いという評価を得る事が出来ます。
弾いたことがある人が聞けばミスなどは分かってしまうのですが、その曲を弾いたことがない人が聞くと、弾くだけでも凄いなと思うので、多少の音程や表現などは気づかない事もあるのです。
しかし、モーツアルトの曲は少しでも間違えると弾いたことがない人でもすぐに分かってしまうので、完璧に弾かないといけないのが難しいと言われる1つの理由です。
そして、バイオリンで弾く場合、あまり大きなビブラートはかけないので、少し外れた音程をビブラートで誤魔化してすぐに直すという事も出来ないので少しでも音程が外れるとすぐに分かります。
更に、ロマン派以降の曲には細かく作曲家の指示が書いてあるので、指示通りに弾くとなんとなく曲になります。
もちろん、何となく曲になってからどう仕上げるかで上手いかそうでないかに分かれてしまうので、ロマン派以降の曲も難しいのですが、モーツアルトの曲はシンプルなので曲を分析して細かい所まで気を使って仕上げる必要があります。
音の質
難しい曲はいかにテクニックを鍛えるかに対し、モーツアルトの曲は楽譜と睨めっこしてフレーズの中の一つずつの音までどう弾くか、音の質に対しても考えていかなければなりません。
バイオリンは音程がぴったりと合うと楽器が共鳴してとても良い音が出ます。
モーツアルトの曲は楽器が綺麗に共鳴して一音一音が良い音で弾くととても綺麗なのですが、基礎が出来ていないと微妙に音程が合わずに不思議な音程だったり、音が響かずに軽やかなモーツアルトではなくなんとなく「重たく聞こえてしまうのです。
モーツアルトなので軽く弾こうと思い弓を持って浮かせて弾いてしまったり、スピッカートが上手に出来ずにますます良い音が出なくなってしまうという事も起こります。
モーツアルト独特な弾き方
モーツアルトの曲は、特にヨーロッパのコンクールでは「モーツアルトはこう弾かない。あのビブラートはモーツアルトらしくない」などとこだわりがある先生が多く、凄い低い点数をつけられてしまう事もあります。
そして、弾く時代によって弾き方が変わったり(その時代の流行りがある)、先生によって意見が分かれる事が多い曲なので、先生によって全く正反対の事を言われたりするからです。
なので、モーツアルトを弾く時に20年も30年も前の巨匠の真似はしない方が良いです(時代遅れな弾き方と言われてしまいます)。
楽しく会話が出来るか
モーツアルトの曲を知るにはオペラを観なさいと良く言われます。
何故かというと、モーツアルトの曲のフレーズは色々な人が会話をしているようだからです。
オペラを観ているように内容をいかに面白く観客へ伝えられるか。
センスが問われる曲でもあるので難しいのです。
モーツアルトの曲を理解するのにオススメな本
モーツアルトの曲を理解するのにオススメな本がありますので、是非読んでみてください。
モーツアルトのお父さんが書いたバイオリン奏法。
当時のバイオリン奏法がどうだったのか、トリル、ボーイングの決め方などが詳しく書かれているので、モーツアルトの曲を弾くヒントが沢山得られます。
モーツアルトの曲は会話のようなフレーズが沢山出てくるので、モーツアルトを知るにはモーツアルトのオペラを観るのですが、オペラを楽しく観るにはオペラの内容を理解することが大切。
内容がなんとなくでも分かって観るのと分からないで観るのでは楽しさが何倍も違います。
オススメな本は、お子さんでも無理なく楽しめるマンガ。
大人も楽しくあっという間に読めます。
スコアを読む
モーツアルトの協奏曲のスコアは、ロマン派以降などに比べるとシンプルなので、スコアを説明文まで隅々読むと今まで見えてこなかったことが見える可能性がありおすすめです!