ロード(ローデ)24のカプリス難易度

RODE24のカプリス難易度

バイオリンコンクールの課題曲にもなる「ローデのカプリス」

バイオリン学習者にとって定番とも言える「ローデ(Rode)の《24のカプリス》」。
中高生のコンクールやえんそう試験の課題曲として指定されることも多く、演奏経験のある方も多いのではないでしょうか。

転調が多く、最初は難解に感じる曲もありますが、フレーズを一つひとつ丁寧に歌っていくと、その美しさや表現の奥深さに気づくことがで

きます。

コンクールや試験本番でも「こんなに素敵な曲だったのか!」と聴く人に感じてもらえるような演奏を目指したいですね。

自由曲として選べるなら「得意分野」を意識して

自由に課題曲を選べるコンクールであれば、自分の得意な演奏スタイルに合った番号を選ぶのがポイントです。また、将来的に出場したいコンクールの過去課題曲を先取りして練習しておくのも、よい準備になります。

ここでは、ローデ《24のカプリス》の中から特に人気のある番号について、それぞれの特徴や難易度を簡単に解説します。

ローデ《24のカプリス》 番号別 解説と難易度

第1番

冒頭の Cantabile(カンタービレ) では美しく歌い、Moderato(モデラート) では移弦しながらもスタッカートをクリアに表現できると聴き映えします。
比較的取り組みやすく、コンクールにも向いている曲です。

第2番

右手の柔らかな弓使いと移弦がカギとなります。
音程も取りやすいため、ローデ入門におすすめの曲です。やや控えめな印象ですが、演奏次第では格好の良い曲です。

第3番

レガート表現が得意な方におすすめ。
ポジション移動と移弦を滑らかにこなすには左右の手のバランスが重要で、意外と難易度は高め。
演奏技術を磨くうえで非常に勉強になる曲です。

第4番

ヨーロッパのコンクール課題曲としても採用される一曲。
Siciliano(シチリアーノ) では重音でたっぷりと歌う。

そして、Allegro(アレグロ) は明るく軽快にデタッシェで弾くと魅力的に仕上がります。
重音に自信がない場合は他の曲を検討しても良いかもしれません。

第5番

こちらもヨーロッパのコンクールで使用されることのある定番曲。
スタッカートの発音をクリアに響かせることができれば、非常に聴き映えのする一曲です。

第6番

Adagio(アダージョ)Moderato(モデラート)のテンポの対比が魅力。
前半は弓のコントロール、後半は移弦や音程の精度が求められます。
構成がしっかりしており、ステージ映えする曲です。

第7番

ワンボウスタッカートが得意な方におすすめ。
華やかで聴き映えする内容なので、コンクールにも最適です。技術と表現がしっかり噛み合えば、とても格好良く仕上がります。</p>

第8番

比較的弾きやすい曲ではありますが、自己アピールという点では他の曲(14, 5, 6, 7番など)に比べてやや控えめな印象です。

第9番

AdagioAllegretto に分かれており、テンポの対比をしっかりと表現することで、印象的な演奏になります。
メリハリがつけやすく、構成力をアピールできます。

第10番

美しい旋律が魅力の曲。
歌い方に自信がある方にはぴったりですが、テクニックを強調したい場合は別の番号を選ぶと良いでしょう。

第17番

ハイポジションや重音は少なく、技術的にはそれほど難しくありません。
そのぶん、音色の美しさや表現力が求められます。軽やかで遊び心のある雰囲気を出すのが得意な方に向いています。

おすすめ楽譜

ガラミアンの運指版

パリ・ロシア音楽院の教員、カーティス音楽院で指導後、1946年にはジュリアード音楽学校ヴァイオリン科の主任教授となった人。
弟子にはマイケル・レビンやピンカス・ズーカーマン、チョン・キョンファ、イツァーク・パールマン等。

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自分で弓順、運指を考えて記載したい場合はオリジナル版が入っているヘンレ版がおすすめです。

自分に合った一曲を見つけて、印象に残る演奏を

ローデの《24のカプリス》は、それぞれの曲に個性があり、さまざまな技術や表現力が試されます。
自由に選べる場合は、自分の得意なスタイルや伸ばしたいスキルに合わせて選ぶのが成功のカギです。

また、将来挑戦したいコンクールに向けて、過去に課題曲として採用された番号を事前に練習しておくのも効果的です。

ぜひ自分に合った一曲に出会い、聴く人の心に響く演奏を目指してください。