バイオリンの練習時間(子供編)

バイオリン子供の練習時間

子どものバイオリン練習時間はどれくらい?年齢別の目安と効率的な練習法

「バイオリンを習わせているけれど、どのくらい練習すれば上達するの?」そんな疑問を持つ親御さんも多いのではないでしょうか。

本記事では、バイオリンの進度に応じた練習時間の目安と、効率的に上達するための考え方、親の関わり方について解説します。

バイオリン演奏は“複雑な技術”の集合体

バイオリンは、音程、ボーイング、リズム、表現など、同時に多くの要素を処理しなければなりません。

  • 左手は数ミリ単位の音程を正確に取り、速く動かす
  • 右手はゆっくり、なめらかに弓を動かす
  • 指はリズム通りに動き、弓の返しを聞かせないようにする
  • 音色や強弱、曲の歌い方まで考える必要がある

このように、多くの要素をバランスよく練習していく必要があります。才能ではなく、練習の質と習慣が上達の鍵です。

子どもの練習がうまくいかない原因とは?

よくある親の悩み:

  • 練習を始めない・だらだらする
  • 練習しているはずなのに音が聞こえない
  • ゆっくり練習してと言われたのにすごいスピードで弾く
  • 音程が違っているのに直さず弾いている
  • すぐに練習が終わってしまう
  • 注意しても喧嘩になる

子ども任せでは難しいため、親の工夫とサポートが重要です。

年齢・進度別 バイオリン練習時間の目安

始めたばかりの時期

  • 目安:10〜15分/1回
  • 練習内容:楽器の持ち方、開放弦、左手の基礎
  • ポイント:練習習慣の定着が最優先。生活の中に自然に取り入れましょう。

この時期の練習

  • 楽器の持ち方
  • 開放弦の練習
  • 左手の抑え方の練習

なので、何時間も練習出来るものではありません。

この時期は、歯磨きの習慣をつけることと同じように練習の習慣をつけること。
楽器を持って立っていられる筋力・集中力をつける事が大事な時期です。

早く上達したい場合は、一日に何度か練習すると、バイオリンを持って立っていられる筋力、集中力が早く養われます。

小さい子供はごっこ遊びが好きなので、音楽教室ごっこ遊びにすると練習がはかどる事があります。

例えば、お母さんが先生、子供が生徒役をやります。
子供は楽しい事は何度でも繰り返したいので、「もっとやりたい!」となることもあります。

1曲弾けるようになった頃

  • 目安:20〜30分
  • ポイント:集中力がつき、30分の練習が可能になります。分割練習もおすすめ。

どんな時期?

始めた年齢によるので、始めた年齢が早ければ3歳で曲が弾けるようになっていると思います。

3歳でも曲が弾けるようになる頃には、大分集中力がつき、30分のレッスンを受けられるくらいに成長している頃です。

なので、年齢に関係なく練習も通して30分は出来る頃です。

レッスンと自宅の練習では集中力が違うから出来ないという場合、

・練習する内容を2回くらいに分ける

30分立って練習出来るようにする

少しずつ練習時間を伸ばすことを目標にします。

数曲弾けるようになった頃

  • 目安:30〜45分(1日2回できると理想)
  • ポイント:登校前と帰宅後の2回に分けるなど、生活リズムに合わせるのがコツです

どんな時期?

バイオリンを習い始め、数か月が経つと、数曲弾けるようになります。

レッスン時間は30分、45分程度。

なので、30 – 45分楽器を持って立っていられる時期です。

ポジションチェンジが出てくる頃

  • 目安:60〜90分
  • 練習内容:音階、練習曲、ポジション移動、曲
  • ポイント:部分練習・テクニックごとの練習を意識する

どんな時期?

ポジションチェンジが出てくる頃になると、4分、もしくはもう少し長い曲を弾いていると思います。

この頃は、ボーイング、音階、練習曲、ポジションチェンジの練習などで20分30分くらかかります。

この他、曲の練習もあるので、全ての練習を終えると1-1時間半。

もしくはもう少しかかると思います。

簡単なコンチェルト全楽章が弾ける頃

  • 目安:90〜180分
  • ポイント:学校の前後で練習内容を振り分け、計画的に取り組む

どんな時期?

ビバルディやバッハなど簡単なコンチェルトの全楽章を習い終えた頃には、

・基礎練習

・音階

・練習曲

・難しいパッセージをさらったり

・新しいテクニックの練習をしたり

練習することは山積みです。

学校の勉強もしないといけないので、ダラダラと時間を無駄に出来ない時期だと思います。

 

この時大事なのは、

・練習出来る時間を決める

・学校へ行く前に基礎練習

・学校から帰ったら、音階、練習曲、難しいパッセージ練習、曲を弾くなど、大体の時間配分を決めることです。

 

そして、効率よく練習出来るように出来ない個所を取り出してどのような練習をしたら解決するのかを明確にしておくとスムーズに練習が進みます。

 

上手になりたければ少しずつ練習時間を伸ばしていき、この頃には毎日3時間以上練習出来るのが理想だと考えています。

とはいえ、音楽の道に進まないなら1,2時間程度で全てを効率よくさらえると理想です。

効率の良い練習をするためのヒント

  • 弾けない部分は取り出して集中練習
  • 「どうしたら良くなるか?」を自分で考えて試す
  • 練習時間ではなく「質」にフォーカスする(初めは難しいので親がサポートしてあげてもいい)

最終的な理想の練習量は?

中学生でも一日に10時間以上練習する子もいると聞きます。

しかし、そこまで練習する必要はないと思っています。

骨が柔らかく成長している時にあまり長時間の練習をすると身体を壊す原因になることもあるので、長時間続けての練習は注意が必要です。

 

音大受験やプロを目指す場合、メンコンやパガニーニなどの曲を練習する頃には3,4時間の練習が必要になることも。

ただし、すべての子どもにこの量が必要なわけではありません。

学校生活とのバランスを取りながら、無理なく・でもしっかりと練習を積み重ねましょう。

一定の基礎が出来ると

しっかりした基礎が身に付き、色々な曲が弾けるようになると、楽器の練習自体は3-5時間で効率良く練習出来るようになります。

長時間練習するのはどう練習したら効率よく出来るかなどがまだ分からない時期です。

もしくは、沢山の曲を一度に仕上げる時には長い練習時間が必要になります。

そして、曲をどう仕上げたいか考えたり、楽譜を研究したりするのは別の時間がかかります。

あくまでも目安ですので、学校の勉強の時間などを考えてバイオリンが練習出来る時間を計算し、その中で出来る限り効率よい練習をしてくださいね!

まとめ:子どもの成長に合わせた練習習慣を

上達には「練習時間×練習の質」が重要。短時間でも内容を意識した練習で成長できます。

まずは習慣化から始め、成長に合わせて練習時間を増やしていきましょう。

この目安は、バイオリンをどのくらいのスピードで上達したいのかによります。

なので、自分の生活リズムの中で出来る範囲で練習すればいいと思いますし、これ以上練習出来る子は自分が納得出来るまで練習すればいいと思います。

バイオリンお悩み解決シリーズ|練習・親の関わり・モチベーション対策まとめ

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