バイオリンを習っていると、
「大人から始めたから限界なのかも?」
「私には向いていないから無理なのかも?」
「センスがないから出来ないのかも?」
「この部分は苦手だから出来ない」
という事を良く聞きます。
実際、私も若い頃は「センスがないから出来ない」と、「何故それが出来ないのか?」を考える事から背を向けて出来ない理由を探して出来ないのは当たり前と正当化をしていた時期があります。
しかし、バイオリンを長年教えてきて思う事は実際は「出来ない」「無理」ではなく、
・頑張る方向が間違えていたり、
・根本的な事(バイオリンはどう弾くのか、どう練習すると上達するのか)が分かっていないだけ
・器用ではないので他の人よりも時間がかかっているだけ
という事が結構あります。
学生時代は語学が苦手だった私ですが、語学が苦手だったのは勉強の仕方が間違えていたことを知り、イタリア語検定を受けると決めて3年半。
ほぼすべてのコミュニケーションの場面に的確に対応できるイタリア語試験では最難関のCILSレベルC2の試験に合格することが出来ました。
何が言いたいかと言うと、学校の語学の成績が悪くて語学が苦手だと思っていたとしても、大人になって頭が固いから何かを習得するのは無理かなと思っても、目的地を決めてそれに向けて必要な事を一つずつやっていけば大抵の事は出来るようになるという事です。
バイオリンも才能よりも必要な事を一つずつやっていくことで人によってかかる時間は違いますが大体の曲は弾けるようになります。
バイオリンの練習でも勉強でも語学でも何かを習得する、上達したい時に大切な事は、目的地を決め、辿り着くために必要な事をひたすら一つずつこなしていく事なのですが、過去の私も含めて目的地を決めないでウロウロしている人がとても多く、練習していれば多少上達はしますが、目的地を決めた人と決めない人では上達のスピードが全然違ってきます。
なので、上達したい場合は目標・目的地を決めてそこへ近づくためには何をするかを考えて目的地を目指して進んでいくことをおすすめします。
何故目的地を決めるのが大切なのか?
何故目的地を決めるのが大切なのかと言うと、進む方向を間違えないためと、迷子にならないためです。
例えば、語学を習得する時は、語学試験を受けるのが目標だったら、基本の文法を何度も何度も繰り返して勉強し、試験に良く出るフレーズや単語、文章を書けるように1フレーズを書くところから始めます。
しかし、目的地が生活する時に不自由のない会話が出来る事だったら、生活に必要なフレーズを一つずつ覚えていく、市場などへ行き出来るだけ会話をして教科書ではない生きた語学に接するというように、目的地が違うとやる事が変わってきます。
バイオリンの場合、音楽コンクールで入賞したいという場合と、弾きたい曲を弾けるようになりたいでは目的地へ辿り着くために練習する曲も変わってくるので練習時間も変わってきます。
目的地と言われても、分からないという場合はやっていくうちに変わってもいいので自分が到着したい大体の目標を決め、目的地へ行くために必要な事を少しずつ達成していきます。
目的地や目標がないとついダラダラしてしまうので、
・毎年コンクールに参加したり
・発表会を目標に曲を仕上げたり
・オーケストラへ入る事を目標にしてオーケストラに入るのに必要な事を調べたり
・憧れの弾きたい曲を目標にする
等々、目的地を決めて目的地に向けて一歩ずつ前進していきます。
目的地へ辿り着くにはあまり大きな目標だとなかなかたどり着かずに辛くなってしまう事もあるので、目的地の前に小さな目的地を作って少しずつクリアしていくことで少しずつですが確実に目的地に近づくことが出来ます。
コンクールへ参加する時
例えば、コンクールも同じで、行き当たりばったりで参加をするのではなく、
出来れば数年後の大きな目標を決め
大きな目標を達成するために小さな目標として
1年後、半年後などのコンクールに参加して少しずつ力をつけていきます。
参加をするコンクールを決めたら、必要な曲を練習して余裕を持って仕上げます。
目標を達成するには時には面倒だったり、
自分には無理かもと思ってしまう時があるかもしれません。
しかし、とにかく右足を出したら左足を出し、一歩ずつ前へ進むことで大体の事は出来るようになります。
目的地までの行き方が分かったら前進あるのみなのですが、時々、
方向が合っているか?
迷子になっていないか?
目的地に近づいていっているかをレッスンだったり、コンクール、発表会などで確認する事で気が付いたらかなり違う方向へ行っていたという事がなくなります。
バイオリンのレッスンへ行っていればどうにかなるではなく、自分はどうなりたいかという希望を先生に伝えるとその希望に合わせてレッスンメニューを考えてくれたり、希望する所へ辿り着くのに必要な事を教えてくれると思います。
なので、上達したい場合は数年後に自分がどのくらい弾けるようになりたいのか一度考えてみることをおすすめします。