バイオリン・初めのレッスン前に楽器は購入するべきか?
バイオリンを習うと決めたら楽器は必要ですが、バイオリン教室によっては分数楽器の貸し出しをしている教室もありますし、長く続くか分からないからという方は、バイオリンをレンタルするという選択もあります。
なので、まずはバイオリンを習いたいと思った教室に問い合わせていただくのが一番です。
ここでは、購入すると決めたけれど、どのような楽器が良いか分からない、もしくは、独学で勉強したいと考えている場合を前提にお話しします。
バイオリンレンタル
楽器店では、バイオリンを月々数千円でレンタルをしてくれるところがあり、レンタル後に購入する場合は数カ月分のレンタル代を購入代から引いてくれるという楽器店もあります。
続くか心配という方はとりあえずレンタル楽器で数カ月試してみるのもいいと思います。
しかし、バイオリンを長く続けようと思ったら、楽器は購入したほうが良いので、どのような楽器があるのかお話しておきます。
バイオリンを始める時、どのような楽器を購入したら良いか?
バイオリンは、安いものは1万円以下、高いものでは数億円するものもある楽器です。
初心者でも経済的に余裕がある人は、自分が弾いていて楽しい、それだけの価値があると思える楽器を購入するのがいいと思います。
以前、5歳の始めたばかりのお子さんの楽器に50万円ほどするフランスのオールドの楽器を購入を薦められたけれど、どう思いますか?とお問合せをいただいた事があります。
その時お答えしたのは、「その楽器を実際に見た訳ではないので、その楽器がどのような楽器なのかは分かりませんが、始めたばかりのお子さんでしたら、もっと低価格の楽器で良く鳴る楽器もあるので、無理をして購入されるなら、そこまでの楽器は必要ないけれど、良い音の楽器で練習すると練習が楽しくなるのも事実。
経済的に全く問題なくその楽器の音が好きで、音を聞いていて楽しく練習もはかどり、それだけの価値があると思うのでしたら、購入しても良いのかなと思います。
しかし、高価な楽器は、値上がりする楽器もあると言われていますが、楽器の売買には楽器店の手数料なども入っていたり、使っているとメンテナンスが必要になってくることもあるので、値上がりする、もしくは、買った時と同じ価格で引き取ってくれると考えないほうがいい事もお話しました。もちろん、同じ楽器店でもっと高価な楽器に買い替える場合は、高価な楽器を売ることで楽器店は利益を得る事が出来るので楽器に破損などがなければ、同程度の価格で下取りはしてくれる可能性もあります。」と、お答えしました。
なので、初心者でも高価な楽器を購入出来る家庭は、気に入った音の楽器を購入すればいいと思います。
しかし、それ以外の方は予算を決め、その予算前後で一番気に入った音の楽器を選ぶのが一番良いと思います。
色々な楽器の特徴を少し説明しておきます。
避けたほうが良い楽器
中国製の1万円以下の楽器は、調弦がすぐに狂ってしまったり、調弦がなかなか合わなく調弦するまでに疲れて弾くのを嫌になったり、弾いていて調弦がどんどん狂ってくるという事があるので、長く続けようと思ったら、この価格帯の楽器は避けたほうがいいかなと思います。
でも、お子さんが小さくて2、3歳だから、いつ落として壊すかもしれない、楽器を持つのに慣れるために等、1/32サイズはこの価格帯の楽器で遊びながら楽器になれるというのもいいと思います。
おすすめ中国製の楽器
最近は、中国製でも中国の工房で職人さんが製作した手工品で、日本や他の国で最終調整されが楽器があります。
職人さんが手作業で製作したパーツを日本やヨーロッパの工房に送り、そこで組み立てや細かい調整をした楽器なので、安い量産品と同じくらいの価格でも量産品よりも良く鳴る楽器があります。
バイオリンを始める時にはこのような楽器もおすすめです。
ここでお話している中国製の楽器は、中国の量産品ではなく、手工品できちんとしたバイオリン工房で最終調整されたものに限ります!
量産品のバイオリン
フランスやドイツ、東ヨーロッパの1800年後半あたりのオールド量産楽器に関しては、なかなか良い音がする楽器があります。しかし、これらの楽器は50万前後、もしくはもっとする場合があります。
作られて年数が経った楽器なので、落ち着いた音がする楽器が多く、ちゃんと修理調整されている事が条件ですが、自分の好みの音の楽器がみつかれば、これらの量産品もおすすめです。
しかし、10万円前後の量産品の新しい楽器の場合は、購入後にほぼ価値がなくなると思って購入したほうがいいと思います。
何故かというと、保存状態によっては修理費のほうが高く、それなら新しい楽器を購入したほうが良くなってしまうからです。
なので、出来ればもう少し良い楽器を購入し、次を購入する際に下取りして買い替えるというのが理想です。
とはいえ、10万円くらいの楽器が最低ラインで調弦もしやすいバイオリンが見つかります。
安い量産品は購入後価値がほぼなくなると書きましたが、家に寝かしておくなら知人に譲ったり、楽器買い取り業者さんに安くても買い取ってもらい、次の人に弾いてもらいましょう!
手工品のバイオリン
手工品イコール良い楽器と思いがちですが、手工品よりも優れた量産品の楽器もあります。
何故なら、手工品の楽器は、材料の強度、どのくらい振動するかなどを職人さんが見極め、その材料で一番美しく良く響くように表板、裏板を微調整して作るから、職人さん次第なのです。
同じ材料、ニス、モデルで作っても、職人さん次第で鳴る楽器、鳴らない楽器になるので、手工品のバイオリンを購入時には知識がなければある程度有名な製作者の楽器を購入されるほうが安心です。
しかし、ある程度有名な職人さんの楽器はイタリアの新作で200万円くらいはするので、初めはもう少し低価格のバイオリンで始め、ある程度弾けるようになり楽器を鳴らせるようになったら楽器のレベルアップをしても遅くありません!