梅雨や夏は楽器のトラブルが増える時期で、A線がジージーと風邪をひいたような音がしたり、木の部分が少し沈んできているように思える、楽器の音が閉まってしまった、、、等々、楽器の調子が優れずに楽器工房へ駆け込む人が増える季節です。
楽器のトラブルで修理に数万円から10万円を超えることもあった過去の経験から、少しずつ揃えていった出来るだけ楽器がダメージを受けないための便利グッズをご紹介します。
本記事はプロモーションを含みます。
バイオリン起こりうるトラブル
手作りの楽器は、生き物と同じで管理を怠るとダメージを受けて取り返しがつかない事になる可能性があります。
例えば、
夏の暑い時期に起こるバラバラ事件
手作りの楽器は楽器が良く振動するように接着部分がとてもデリケートに接着されているので、夏の暑い時期、日向に楽器を長い時間置いてしまったり、車のトランクに入れておいたらケースを開けた時に
ネックが外れていた
上板や下板が剥がれてしまった
目には見えなくても接着部分が剥がれて今までのように楽器が鳴らなくなった
等々が起こります。
「夏の暑い時に楽器を日向に置いたり車のトランクに入れる人はいないでしょ?」と思うかもしれませんが、意外とうっかりやってしまう人がいます。
もしくは、日向に置いていなくても太陽の位置が変わって日陰に置いておいたのにいつの間にか日向になっていた!なんてことも。
梅雨の時期、海外で湿度の多い場所での木の変形
木は湿度を吸うと膨らみます。
楽器制作時には木が変形しないように一定期間寝かせた木を使っていても、木は生きているので時と共に変わるので、湿気が多い時期の湿度管理を怠ると
・湿度だけではないですが、f字孔部分が少し陥没してきたり
・楽器の弱い部分が変形したり
実際に知人の間で起こった問題で、解決策は湿気を取り除いて弾ける状態に戻したそうですが、出来れば避けたいトラブルです。
湿気が多すぎる場合、室内の湿度管理をするか楽器ケースに乾燥剤を入れる。
現代のような便利な乾燥グッズがなかった頃に高価な楽器を持っていらした先生は新聞紙を入れて湿気対策をしていたという話もあります。
乾燥地域へ行く時のひび割れ
一番起こって欲しくないトラブルが、乾燥しすぎる地域へ行く時に起こりうる
木にひびが入る
木が割れる
です。
湿気の多い日本では湿気対策の方を良く聞きますが、ロシアでは乾燥対策がメインだそうです。
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ロシアがどのくらい乾燥しているかというのが分かるので下記サイトから数字を引用させていただきました↓
ロシアと東京 湿度は同じでも100倍乾燥している!? | うるおLabo
[ヤクーツク] 気温 -49.1℃ 相対湿度 61% (2023/1/24)
[東 京 都] 気温 3.9℃ 相対湿度 60% (2023/1/23)
気温差は50℃以上ありますが、相対湿度はほとんど同じでした!
つづいて、上記の場合の絶対湿度を比べてみます。
[ヤクーツク] 0.00003 kg/kg’
[東 京 都] 0.00299 kg/kg’
なんと、東京都の絶対湿度はヤクーツクの約100倍でした!!
相対湿度が同じくらいの値でも、気温が違うと実際の水分量はこんなにも違うのです。
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ダンピット 楽器保湿材で水分補給をして乾燥から楽器を守ります。
フルサイズ用
分数楽器用
大切な楽器を守る便利グッズ
温度・湿度計
楽器ケースに入れておくと便利な湿度と温度計。
バイオリン弦を作っている有名メーカーから出ている湿度・温度計です。
デジタルなので狂う事がなく、小さいので松脂を入れるケースに丁度入るサイズです。
■電池:CR2032付属
■摂氏/華氏での温度表示が可能なデジタル温度計機能
摂氏(-35℃~50℃)
華氏(-32°F~122°F)
■デジタル湿度計機能
湿度表示(20%~99%)、湿度20%以下の場合“Lo”と表示される。
■最低湿度設定
最低湿度を設定すると、楽器ケース内の湿度を上げる必要がある場合、アイコンが表示される。
■最低/最高湿度、温度記録機能
今まで観測された中での最高または最低温度、湿度を記録する機能が搭載されている。
観測された際の日付、時間帯も表示される。
■デジタル時計、カレンダー機能
湿度調整グッズ
かわいいバイオリン型
シンプルで目立たないものが好みの方用
筆者はシンプルなこのタイプを利用しています。
乾燥対策
乾燥する国へ行く時には持っていきたい加湿器
湿気が多いと板が剥がれたり、楽器の表板が変形してしまったりしますが、乾燥する国では板がひび割れてしまう可能性があります。
剥がれはくっつければいいですが、ひび割れは取り返しがつかない事になるので、湿気の少ないロシアなどへ行く際には持っていったほうが良いグッズです。
フルサイズ用
分数楽器用
温度差から楽器を守るケース
夏の暑い日に楽器を持ち運び、室内へ入ると冷房が効いていて人間でも温度差に身体が参ってしまいそうな時があります。
そんな時は楽器も温度差を感じて、温度の変化に慣れるまで時間がかかったりします。
暑い日に楽器ケースを開けたら弦が緩んでいてなかなか調弦が合わなかった、楽器が鳴らなくなったような気がしたという経験はないでしょうか?
暑い日のコンクールで当日の楽器の調子が悪くなかなか調弦が合わなくなった経験から探して買い替えたケースが気温の差から楽器を守るためのBAMのハイテックケースです。
熱から楽器を保護するために設計された素材を使い、楽器を浮かせ手収納することでケースの表面から熱の殿堂を防ぐように設計された本当に優れもののケースで、ちょっと重たいのがデメリットですが、その他は大満足なケースです。
BAMハイテック楽器ケースの素材
ABS:ABSは耐衝撃性に優れたプラスチックで、ケースの表面を非常に耐久性があり、傷に強い素材を使用。
高密度ポリウレタンフォーム:内部クレードルは、楽器を熱から保護するために注入された高密度のポリウレタンフォームで作られていて、熱から楽器を出来るだけ保護する設計になっています(熱から守る素材になっていますが、熱い日向に長時間放置しない事をおすすめします)
ケースが軽量でありながらも、楽器を浮かせて固定させるサスペンション設計で楽器をしっかりと保護するようになっています。
ケースの合わせ部分はレールによる合わせ構造となり、蓋のレールが完全に底のレールに入り込む設計で、気密性が高く、雨水の侵入を極力防ぎ、外圧力を受けた時ケースが変形することを極力防ぐ設計です。
重さ:1.6kg
外寸:78.5 x 23.0 x 15.2cm
内寸:Upper Bout 17.0cm(上部の最大幅)
Lower Bout 21.0cm(下部の最大幅)
軽さを重視するなら、角形よりもシェル型。
フランス製のBAMのバイオリンケースは、ヨーロッパの演奏者たちにも人気の楽器ケースです。