バイオリンを始めたけれど、毎日の練習が続かない。
なかなか思うように弾けなくてやめたい。
バイオリンを弾いていても楽しくない。
しかし、折角続けてきたバイオリンをやめてもいいのか悩んでしまう。
何年も続けてきた習い事をやめるのは勇気がいるものです。
そこで、バイオリンのやめどきについて考えてみました。
バイオリンをやめる目安
「バイオリンが好きではない」時がバイオリンをやめる目安だと思います。
この世の中には楽しい事、素晴らしい事が沢山あります。
私たちはこの世の中で楽しむため、幸せになるために生まれてきました。
なので、バイオリンが好きで上手になりたいから、練習は楽しくないけれど練習するというのは良いです。
しかし、長年バイオリンを練習し、バイオリンを習っている子たちを見てきて、教えてきて思う事は、好きでもない、楽しくない事に時間を使うのは勿体ないです。
子供が本当にバイオリンを好きかを見極める
とはいえ、子供の本心を見抜くのは結構難しいものです。
何故なら、本人も分からないということがあるからです。
例えば、
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ケース1
ある生徒さんが私の所へバイオリンを習いに来た時、その子は色々な先生の所へ習いに行ったけれど
「才能がない。」
「向いていない。」
と言われ続ける事数年。
「私はバイオリンは好きではない、親がやらせているからやっているだけ。人前で弾くのも好きではない。」と言っていました。
しかし、親御さんがどうしても将来はバイオリンを使った職業について欲しいという願いから、基礎からやり直し、練習方法を教え、人前で弾く機会を年に数回設けました。
2年が経った頃、小さなコンクールで賞を取るようになった時、「次の発表会はいつやりますか?」と。
自分から人前で演奏したいと言い始めるようになりました。
その子は、マスタークラスなどに参加するためにヨーロッパ各地へ飛び回っていて将来バイオリンで仕事がしたいと言うまでに変わりました。
今まで色々な先生に
「バイオリンに向いていない」
「上達しないのはバイオリンの才能がないから」
などと言われてきて、本当は音楽が好きだけど好きと言えなかったのだと思います。
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練習の仕方、バイオリンの弾き方が分かずに弾けない子は、時には「バイオリンは好きではない」、「練習しても上達しないからどんどん練習が億劫になっていき練習しなくなる」という事があります。
でも、何故かやめない。
本当は音楽が好きだけど、思うように弾けないから楽しくなくなっているだけという事もあります。
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ケース2
バイオリンを小学生から習っていて、性格が真面目。
何事もきちんとやる子だったからかバイオリンの練習も言われたことをきちんと練習していました。
しかし、途中からクラリネットに魅かれてクラリネットで音大へ。
将来は音楽の職業に就きたいとずっと話していました。
現在はクラリネットの演奏会をしながら音楽学校で教えています。
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ケース3
小学校高学年までバイオリンを続けてきたけれど、途中から全然上達せず練習もしなくなってしまったケース。
歌が好きだからと歌へ変更して歌を心から楽しんでいる子。
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ケース4
私の妹もバイオリンを習っていました。
しかし、周りの子たちよりも進みが遅くて楽しくないという理由でバイオリンは小学生の頃やめました。
やめたことに後悔はしていないそうです。
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ケース5
マイペースにゆっくり進み、中学生になった時にコンクールで入賞するようになった子。
練習をしていると親がうるさくて嫌になってしまい、一度はやめると宣言。
2カ月くらい考えた結果、やっぱりバイオリンが好きだからと続けることに。
親はうるさく言わないという約束をして、やりたいと思えるコンクールにのみ参加して楽しんでいます。
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バイオリンを嫌々続けている場合に見る事
・練習方法が分からないのか?
・上達しないから練習しないのか?
・他の楽器や歌などの方が向いているのか?
・音楽よりも他の事に興味があるのか?
・親がうるさく言いすぎてバイオリンの練習をすると喧嘩になるから嫌になってしまう
などなどを観察してみてください。
一度バイオリンをお休みして子供が楽しい、やっていて幸せを感じる事を探してみるのもいいと思います。
子供が練習をしないので、「練習しないならバイオリンをやめなさい」という親御さんがいらっしゃいます。
バイオリンが好きな子は大体「バイオリンはやめたくない!」と答える事が多いです。
練習をしなくてもやめないという事は、バイオリンが好きだから。
過去の私も含め、親御さんは練習しないとお金も時間も勿体ないと思ってやめた方がいいのではと考えます。
しかし、バイオリンが好きという気持ちがあれば、今練習をしなくても続けていれば、もっと上手になりたいと目覚める時が来ます。
その時に、急に練習マニアに変身する子もいるので、続けさせることが出来るなら続けることをおすすめします。
練習をしないのは、
・練習の仕方が分からない
・どう練習したら上達するのかが分かっていない
という事もあります。
そんな時は先生を変えてみる。
もしくは、親の忍耐が試されますが自分から練習したいという気持ちになるまで待つことも大切です。
バイオリンが好きではない、ずっと続けてきたから勿体ないという理由で続けるなら、他にもっと合った習い事に変更した方のがいいと思います。
バイオリンを小さい頃に習っていてやめてしまったけれど、大人になってやり直したいという人は意外と多いです。
そんな方たちは
・大人になって毎日楽しく練習している
・毎日は出来ないけれど週末に楽しく練習しているという人が結構います。
嫌々続けているよりは一度バイオリンをやめてしまう。
そして、本人がやりたいと思った時に再開すると、自分からやりたいと再開したので、自分のペースで練習してバイオリンを楽しむことが出来ます。
バイオリンに向いている子
バイオリンはコツコツと練習をしていく事で上達していきます。
どんなに才能がある子でも、真似が上手であっという間に上達してしまう子でも毎日何時間も練習をするから上手に演奏出来るのです。
ピアノ、歌、バイオリンなど色々な音楽の習い事で一番練習時間を必要とするのがバイオリンだと思います。
※ピアノを習っている子で一日7,8時間練習する子もいますので、練習時間は人それぞれです。
しかし、ピアノよりもバイオリンの方を習得するまでの時間がかかります。
大学で歌・ピアノソリストコース・バイオリン学科が一緒に合宿をした時、練習室の予約時間が一番長かったのがバイオリン科の生徒達でした。
歌は何時間も練習すると声帯を壊してしまうからと1日2時間くらいと歌学科の子達から聞きました。
ピアノのソリストコースの子たちも練習しても4,5時間練習時間を確保していました。
そんな中、バイオリンの子たちは、一日中時間があれば練習しているという感じでした。
ピアノは手を鍵盤の位置に持って行けば音程を外す事はない楽器です。
しかし、バイオリンはポジションチェンジをする時、鍵盤が見えない指板の上に数ミリの狂いもなく指を持って行く楽器です。
そして、調弦が狂ったら狂った調弦のまま前後の音程で素早く音程を合わせて弾いていきます。
なので、職人さんのような細かい作業をするような練習が必要になってきます。
「自分の目の前を前後に動く左手」
そして、「左右に動く右手」
上手に合わせていかないといけないですし、弓を飛ばしたり軽く弾いたり重く弾いたり。
究めれば究めるほど面白い楽器です。
しかし、バイオリンを好きで上達したいという気持ちがないと、練習が大変。
もしくは面倒でなかなか上達せずに嫌になってしまうことも多いです。
音楽が好きなら、バイオリンではなくてピアノ。
もしくは、歌、ギターなど他の楽器に変更するという選択もあります・
なので、嫌々習うなら潔く他の楽器に変更してみることも考えてみてください。