毎年、世界各国で数えきれないほどの音楽コンクールが開催される現在。
コンクールは有意義だと言う意見もありますし、コンクールは反対という意見も沢山あります。
実際、私は若い頃にコンクールに参加した事はありませんし、音楽に点数をつけるコンクールには反対派でした。
ところが、娘がバイオリンを始めて3年ほど経った時、夫が「音楽コンクールに参加させよう!」と言い出したのです!
コンクールに反対派の私はもちろん反対したのですが、「やるからには何事も全力で挑むべきで、一番上、最高レベルを目指すべきだ。」と。「もし一番になれなかったとしても、目指す過程が大事なので、なれなかった時はそれでいい。」と言うのです。
そして、「最高レベルを目指すには目標が必要で、その目標がコンクールだ。」と!
散々話し合い、最終的にはソリストの友人に相談し、「ヨーロッパやイタリアのコンクールはとても温かい雰囲気だから、演奏を楽しめると思うよ。」と参加することになったのです。
こんな筆者が何年か娘をコンクールに参加させてみて、コンクールのメリット、デメリットなどについて考えてみました。
この記事は、こんな方におすすめです。
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コンクールのメリット
私が娘を音楽コンクールに参加させてみて思ったメリットは、
- 同年代の演奏を聴けるので、上手な子がいたら、もっと上手になりたいと思いますし、もし入賞したら自信につながる。
- コンクールを一つの目標と出来るので、目標を定めてそれに向かい練習が出来、そして、自分の練習がどのくらいの成果を上げたか、練習の改善点などが見えてくる。
- コンクールで色々な先生の講評が聞けたり、コンクールまでの練習や本番でどう弾いたかを考え、その後の練習に役立てることが出来る。実際、何度レッスンで言われても直らなかったことが、他の先生から言われることで気づいて直るという事もあります!
- コンクールへ参加するためには、楽曲を深く理解する必要があり、一つの曲をどう仕上げていくかを考える良い機会になる。
- 人前で演奏する機会を得る。人前で演奏すると考えると、ただ練習している時よりもきちんと仕上げるようになり、上達する。
コンクールのデメリット
音楽コンクールのデメリットというか、気を付けたい点をまとめてみました。
ヨーロッパでは有名な話で、コンクールはビジネスになっているものもあり、既に優勝者が決まっているコンクールもあります。
自分の生徒さんの履歴書を作るために開催されているコンクールもあり、一定のコンクールは入賞者が決まっている事があるので、コンクールの結果が全てではなく、あくまでも自分のレベルを高めるための手段として使うといいと思います。
コンクールの評価には審査員の多少の好み、感情などが入ってしまう事もあります。
特にコンクールに古典の曲を持っていく時には、古典の曲はこうあるべきだと考える審査員と意見が合わない弾き方の場合はかなり低い点数がつくことがあります。
コンクールに向けて一生懸命頑張ってきたのに、入賞出来なくて家族の間でギクシャクしてしまうという話は良くあります。
もちろん入賞すると嬉しいですが、コンクールに参加するまでの過程が大切です。
そして、いつもは上手に弾けているのに、発表会よりもコンクールのほうが緊張しすぎて全く思うように弾けなかったという事もあります。
なので、コンクールで入賞することは一時的な目標とし、最終目的ではない事、コンクールの結果に左右されるのではなく、コンクールに参加してみて自分の練習を見直す良い機会と考えることが大切だと思います。
もう一つ忘れてはいけない事は、コンクールに参加するからと、コンクールの曲ばかり練習してしまう人もいますが、しっかりした基礎があるからこそ上達するので、毎日の練習に基礎練習は必ず行うことが大切です。
コンクールに参加してみて
コンクールに反対派だった私が娘を初めて音楽コンクールに参加させたのは6歳の時。
その時は、100点満点中100点をいただき、大きな舞台で演奏会の機会もいただき、親子ともに大喜びしました。
もちろん、子供のコンクールは採点が甘いので、多めに見てくれ100点というのもあります。
でも、コンクールへ参加する前までは小さな発表会で弾くために練習をしていただけなので、仕上げが甘かったのです。
それが、コンクールに参加をするという事で、審査員、観客に聞いてもらうための練習へと変わっていきました。
なので、とても良い経験でしたし、コンクールという目標があったので、目標に向けて計画を立てて効率よく練習出来ました。
結果的にはコンクールへ参加したことでかなり上達しました。
なので、以前はコンクールは反対でしたが、現在は賛成派です。
今まで何度かコンクールに参加させてきましたし、今後も目標を定める意味で合うものがあればコンクールへ参加させようと思っています。
コンクール参加時に大切なこと
コンクール賛成派になった私ですが、目指すのは、コンクールで賞を取るかとらないかではなく、5年後、10年後の姿です。
もちろん、コンクールで入賞するということは、それだけ練習を頑張ったという事なので、素晴らしいことですが、小学校で入賞しても小学生のうちの評価は甘いものがあるので、小学生で入賞したから将来を保証されたというのとは違います。
大切なのは、大人になった時にどうなっていたいか、コンクールは自分がなりたい姿を実現するための手段であり、最終目的地ではありません。
コンクールという近い目標を一つずつクリアしていき、その度にフィードバックをしていくのです。
コンクールに向けて頑張ったのに成果が出なかったとしても、どうして成果が出なかったかを考えるいい機会だと前向きに考え、次の目標に向かって進むことが大事です!