バイオリンは何歳から始めるのがベスト?【目的別に解説】
バイオリンは何歳から始めるのが良いのか?
この記事では、目的別・年齢別に、バイオリンを始める適齢期とその理由を解説します。
ソリストを目指すなら、3〜5歳が理想
世界的に活躍するソリストたちは、ほとんどが3〜5歳の間にバイオリンを始めています。
バイオリニスト名 | 始めた年齢 |
---|---|
ダヴィッド・オイストラフ | 5歳 |
ピンカス・ズーカーマン | 4歳 |
サルヴァトーレ・アッカルド | 3歳 |
サラ・チャン | 3歳 |
とはいえ、7歳から始めてヨーロッパ圏で活躍しているソリストもいます。
適切な練習を積めば、遅いスタートでも十分追いつけるので焦らずに自分の子供の成長に合わせて見極めてください。
バイオリンは早く始めたほうがいい?3つの理由
聴覚の発達がピーク
3〜6歳は音感を育てる黄金期。音程を聴き分ける力が育ちやすい。
バイオリンは微妙な音程を聞き分けて音程を取り、音程が合うと楽器が共鳴します。
音程を聞き分ける耳を育てるのは5、6歳までに始めるのが適齢期だと言われています。
学業との両立
小学校高学年以降は勉強が忙しくなり、練習時間の確保が困難になるので早いうちに進めておくのが理想です。
昔は、バイオリニストになるには、ほぼバイオリンや音楽・語学などの勉強を中心にしていたのですが、今は義務教育で色々な事を学ぶ必要があります。
なので、時間が足りなくなる時期が来る可能性があるから。
身体の柔軟性
成長とともに身体が硬くなり、フォームや技術の習得が難しくなる。
中学生くらいになると骨の密度が増し、骨が重くなってきます。
理想は、13、14歳、遅くとも16歳くらいまでには一通りのテクニックを習う。
そして、年齢とともにテクニックと音楽性に磨きをかけていく。
しかし、テクニックを習得するのに時間はかかりますが、16歳を過ぎてからでも難しいテクニックの習得は可能です。
なので、その子の進み具合によっては小さい頃から無理をさせるよりも時を待ったほうがいい場合もあります。
早期教育のデメリットと注意点
早く始めることにはメリットもありますが、以下のような注意点も存在します。
- 親の負担が大きく、親子での衝突が起きやすい。(あまりにも出来ない子を見て親がついイライラしてしまうこともある)
- 身体が未発達の時期に無理をすると、側弯症や腱鞘炎のリスクがある。
- 本人の意志がないまま練習すると、途中で嫌になってしまうことも。
大切なのは、バイオリンを「楽しい!」と思える経験を重ねていくことです。
小さい頃に始め、親がうるさすぎて嫌になってやめてしまうという事は多々あります。
まずは、「バイオリンで色々な事が出来る、こんなに楽しいんだ!」と楽しさを体験させる。
その後なら少し厳しくしても、やめることなく大変な練習にもついてきてくれます。
早期教育で大切にしたいこと
フィギュアスケートのように若い身体が柔らかくて軽いうちに出来るだけテクニックを習得させてしまおうと思う楽器です。
なので、小さい頃から難しい曲を弾かせたり、何時間も練習をします。
骨が柔らかい子供時代、そして急激に身長が伸びる成長期に無理な練習をさせると身体を壊す原因になる可能性もあります。
なので、小さい頃の練習は子供の身体を気を付けた練習メニューを作る事が大切です。
バイオリンを習う最終目的は、自分で表現したい音楽を自由自在に表現できることです。
そのために小さい頃から心の中を豊かにすることも大切です。
バイオリニストを目指している子は、学校とバイオリン・ピアノ・ソルフェージュの勉強などで、小さい頃から遊ぶ暇もなく、練習ばかりという子も少なくありません。
バイオリニストになるには、小さい頃に難しいテクニックを習得事も大切ですが、バイオリニストは結構体力のいる仕事なので、小さい頃から運動をして体力作り、そして、自分がどう表現したいかという考えを育てるために、心を豊かにすることも大切です。
大きくなってから始めるメリット
中学生や大人になってから始めた場合、自発的な意志があるため練習への集中力が高い傾向にあります。
実際に中学生から始めて驚くほど上達した例や、定年退職後に始めて趣味として長く続けている方も多数います。
まとめ:目的に応じたベストな始め時を見極めよう
- ソリスト志望:3〜5歳スタートが望ましい。遅くとも16歳までに基礎技術を習得。
- 趣味・情操教育:本人が「やりたい」と思った時がベストタイミング。
大切なのは、楽しく続けること。練習、体力づくり、表現力、心の豊かさ…すべてが音楽表現につながります。