「バイオリンを始めたいのですが、楽器はレッスン前に買ったほうがいいですか?」
これは、バイオリン指導歴35年の私のもとに、非常によく寄せられる質問です。
楽器工房でどんな音がするか色々な楽器を弾く役割を数年勤め、楽器選びには詳しい筆者が楽器選び時に気を付ける点などをご紹介します。
この記事では「購入を検討している」「独学で始めたい」と考えている方に向けて、バイオリン選びのポイントをお伝えしていきます。
レッスン前にバイオリンは購入した方がいい?
バイオリンを習うにはもちろん楽器が必要です。
しかし、教室によっては「分数バイオリン」の貸し出しを行っているところもあります。
また、最近ではレンタルバイオリンも充実しており、月々数千円で始められるケースもあります。
まずは、習いたい教室に楽器の有無を問い合わせることが第一歩です。
レンタルバイオリンという選択肢
「続けられるか分からない」という方には、レンタルバイオリンがおすすめです。
- 月々数千円〜
- 購入時に数カ月分のレンタル料を差し引いてくれる楽器店もあり
- 購入前に試せるのは大きなメリット
ただし、長く続けたい方には、最初から購入をおすすめします。
初心者におすすめのバイオリンの価格帯とは?
バイオリンは1万円以下から、数億円するものまで非常に幅広い価格帯の楽器があります。
初心者にとっての現実的な価格帯は「10万円〜30万円前後」が目安です。
【避けた方が良い】安すぎるバイオリンの落とし穴
特に中国製の1万円以下のバイオリンには注意が必要です。
- 調弦が狂いやすい
- 音が鳴りづらい
- 弾く前にストレスが溜まる
→ 楽器が原因で「バイオリンが楽しくない」と感じてしまうのはとてももったいないです。
ただし、2〜3歳の幼児が「楽器に慣れる」「落としても壊れても仕方ない」段階では、この価格帯の楽器で遊ばせるのも一つの方法です。
【おすすめ】中国の工房製・手工バイオリン
近年は、中国の職人が手作りしたパーツを日本やヨーロッパの工房で丁寧に調整した「手工品バイオリン」も増えています。
10万-20万円前後でも良く鳴る楽器が見つかる可能性もあります。
- 職人の手作業で品質が安定
- 最終調整済みで弾きやすい
- 初心者にも扱いやすい
※ここで言う「中国製バイオリン」は安価な量産品ではなく、「工房製の手工品」のことです。
【選択肢としてアリ】オールドの量産品
フランス・ドイツ・東ヨーロッパなどの1800年代後半のオールド量産楽器は、状態が良ければ非常に魅力的な音を持っています。
- 価格:70万円前後〜
- 音の落ち着きが魅力
- 修理・調整済みであることが条件
ただし、初心者が最初の楽器として購入するにはハードルが高めです。
【注意】新しい量産品バイオリンの注意点
最近の10万円前後の量産バイオリンは、購入後のリセール価値がほぼないことも理解しておきましょう。
- 修理費が高くつく場合も
- 下取りに出せないこともある
理想は、もう少し良い楽器を選んで、買い替え時に下取りできるものを選ぶことです。
手工品バイオリン=必ずしも良いとは限らない?
手工品は「職人の腕による差」が非常に大きく、材料・仕上げが同じでも音に差が出ます。
- 有名な職人の作品なら信頼性が高い(価格は200万円〜)
- 初心者は「実際に音を試してから購入」が大前提
最初は無理せず、ある程度弾けるようになってからグレードアップしても遅くありません。
バイオリンを買う前に大切なこと
▶ 楽器を試奏すること
できるだけ多くのバイオリンを弾いてみてください。
- 展示会や楽器店で試奏
- 値段を伏せた状態で「自分が好きな音」を選ぶのがベスト
▶ 楽器選びは「出会い」
バイオリンは「この音、好き!」と感じる出会いが重要です。
見た目や値段に惑わされず、自分の耳と感覚を信じましょう。
まとめ|初心者でも楽器は「良い音」で選ぼう
- 楽器は必ずしもレッスン前に購入する必要はありません。
- 教室のレンタルやレンタルサービスを活用するのもおすすめ。
- 購入する場合は、10万円〜30万円前後で調弦しやすく、鳴りの良い楽器を選ぶのが理想。
- 実際に試奏し、自分に合った音を見つけましょう。
この記事が参考になる方
- バイオリン初心者の保護者の方
- バイオリン教室に通い始める前に情報収集したい方
- 失敗しないバイオリン選びをしたい方