バイオリンを練習していて弓が折れてしまった。
もしくは、音にハリがなくなってきた。
弓のバランスが悪くなってきた等々。
バイオリンを長く続けていると、弓のトラブルが起こる事もあります。
ここでは、弓のトラブルを出来るだけ避けられるように弓の扱い方についてご説明します。
弓の寿命
バイオリンの弓は消耗品なので、こんな症状があったら交換するサインの可能性があります。
弾いていて弓の木の部分の弾力がなくなってきた
■オールドの弓を使っている場合
前の奏者がどのくらい使っていたか分かりませんが、使い込んでいる弓で音にハリがなくなってきたら、交換時期の可能性があります。
■見分けるコツ
・弓の木の先に少し反っている部分の反りがなくなってきた
・弾いていて弓先部分が弱いなと感じる
・音にハリがなくなってきた
等々、弾いていて思うような音が出ずに物足りない。
こんな時は、新しい弓に交換時期かもしれません。
技術的に物足りなくなってきた
弓を購入した時には使いやすいと感じていたけれど、自分の技術が上がり、使っている弓が物足りなくなってくることがあります。
その時は、
今使っている弓を下取りに出して新しい弓に交換する、もしくは、今使っている弓は予備に取っておいて、新しい弓を購入しても良いと思います。
良い楽器や良い弓は技術を上げてくれると言われることがあるように、弓のバランスや木の材質によって飛ばしやすい弓、弦への吸い付きが良く音の発音が良い弓などがあります。
弓を購入した時には分からなかったけれど、自分の技術が上がって弓の性能の違いが分かるようになってきたら交換のサインかもしれません。
折れてしまった
過去に普通に弾いている時に細い部分が折れてしまったことがあります。
楽器工房の職人さんが折れ方を見て、「元の木に裂けめがあったり、傷があったのでは?」と言われたので、普通に弾いていて弓が折れる事もあります。
こんな時は弓が折れてかなりショックを受けるかもしれませんが、交換時期だったのだと考えて新しい弓を購入します。
折れてしまった弓は楽器屋さんによっては修復をしてくれますが、元のような機能は戻ってこないので、楽器屋さんに相談して修復するか検討してください。
バイオリンの弓を長持ちさせるためには?
バイオリンの弓は、楽器と同じく非常に精密でデリケートです。
長持ちさせるためには、適切な手入れが欠かせません。
バイオリンの弓の寿命を長くするために気を付けること
・使っていない時には弓の毛を緩めておく。
・弓の毛を長持ちさせるためにも弾く前に松脂を均等に塗る
・定期的に弓の毛を交換する
弓の木部分や構造も経年劣化するため
弓は直射日光や湿気を避け、温度差が大きい場所に保管しない。
直射日光や湿度の高い場所で保管すると、木材が変形したりすることがあります。
弓を使う時の注意
弾き方
弓を過度に強く弾かない。
バイオリンの弓は、弓の毛の弾力を使って弾くので、フォルテを出す時に強く押し付ければいいというものではありません。
弦を弾く際に過度の力をかけすぎる事を続けると木の部分が曲がってきたりすることがあります。
弓毛が極端に引き伸ばされることがないように、適切な緩み具合で調整することも重要です。
弓の反り
弓の木部分が長年使用するうちに反りが生じることがあります。
反りが生じると、弓のバランスが崩れ、演奏しにくくなります。この場合も専門の修理業者に依頼する必要があります。
弓の反りを防ぐためには、湿度や温度の管理が大切です。
弓の毛の緩み
弓毛を張るために使われる螺旋状のネジ部分(弓の尾)も使用中に緩んでしまうことがあります。緩んだまま演奏すると、弓の弦に対するテンションが不安定になり、音が歪むことがあります。
定期的に弓の状態をチェックし、ネジが緩んでいないか確認することが大切です。
ネジの部分の交換が必要なこともあります。
まとめ
バイオリンの弓の寿命は、使用環境や管理方法によって大きく左右されます。
日々の取り扱いやメンテナンスを適切に行い、弓毛の状態をこまめにチェックし、汚れや摩耗が進む前に適切な対処をして出来るだけ長持ちさせたいものです。